アオリイカの生態2(どんなイカ?)



アオリイカは体が大きくて大食漢のフィッシュイーターで、湾内の食物連鎖では頂点に立つハンターといえそうです。

しかし、魚類とは異なり、イカの細胞は浸透圧勾配に弱く、塩分濃度の大きな変化に対応できません。

細胞内にタウリンを蓄えることで外部との濃度差を埋めているものの、塩分が少ない場所では真水が浸透して組織が破壊されます。

そのため、外敵が少なく栄養も豊富な河口域に棲むことができません。

流れ込みのある汽水域も苦手です。

アオリイカは河川から淡水が入り込まず、外洋の潮が直接当たらない場所を好みのはこうした塩分濃度の変化に弱いという生態をもっているからです。

同様に、水潮のときは深場に落ちてしまうので、陸ぱりから狙いにくくなるのです。

釣ったばかりで透明なイカも、氷に触れると真水が滲入して白く変色してしまいます。

ですから釣った後のアオリイカの処置も大切なことですね。

出来ればすぐ、〆てビニール袋に入れて、クーラーの中に入れるようにしたいものです。

また、筒イカのくせに甲イカのような太い胴体しているアオリイカは高速の移動が苦手です。

他の筒イカの代表であるヤリイカやケンサキイカなど外洋性のイカは長距離泳者らしいスマートな体型をしていますよね。

沿岸性のアオリイカは胴体が太いうえに、大きなヒレが外套膜の全長についているため水の抵抗が大きく、高速性能はあまり期待できないのです。

どのイカもそうですが、アオリイカも泳ぐときに胴体をキュッと絞ってロートから水を噴出します。

ただ、アオリイカの胴体は太く大きいのでキュッキュという断続音を出しながら泳いでいることになります。

音が聞こえるくらいの動きで泳いだのでは獲物から警戒されるため、奇襲や待ち伏せ攻撃のときにはエンペラを動かしながら気づかれないように近づく必要があるわけです。

さらに、攻撃をしかける前に一瞬、体を縮めて、触腕がとどく距離を測るので速攻性に欠けるという弱点もあります。

夜間の獲物から発見されにくい状況や、群れの中に突っ込んで喰い盛っているとき以外、泳いでいる魚へのノンストップ攻撃はできないのです。

その他、本来フィッシュイーターと呼ばれるものは、口が大きく両眼の間隔が広いものです。

そして、ターゲットを立体的に捉えるため、目はできるだけ正面を向いていないといけません。

アオリイカは目玉が真横を向いているため、立体視の範囲を充分に確保できていないという弱点があるので、獲物を襲うために腕を束ねて視界を確保する必要があるのです。

水中を泳ぐアオリイカのスタイルを見たことがある人は、この姿が想像できますよね。

加えて大きく発達した眼球で頭部が占められているため、充分なノドのスペースもありませんので、ターゲットを一気に体内に入れることができず、獲物を食べている間の無防備な時間が長いので、敵の来ない安全な場所まで運んでホバリングしながら食べるという習性をもっています。

ヤエン仕掛けの釣りはこのアオリイカの習性を知った上で開発された釣り方といえるでしょう。

こうした特性を経験的に理解した上で、いろいろなアオリイカの釣り方が開発されているわけです。

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