アオリイカの生態4(捕食)



アオリイカは成長速度が非常に速いイカです。

ちょっと考えてみると、最大で3kgなるとして、1年で寿命が終了するなら約10日で100g成長することになります。

生後45日目ごろから1カ月に4センチ以上,9カ月目ごろからは,1カ月に15cm前後の割で大きくなるのです。

このことから、コウイカのように形成するのに時間がかかるカルシウムと石灰質が主成分の甲を持たず、アオリイカはタンパク質で出来ている軟甲で体を支える仕組になっていることが理解できます。

もし、甲を持っていたら、身体の成長に甲の成長が追いつかず身体を支えることができなくなるわけです。

アオリイカのエサは藻についたエビや小魚などですから、かなりの量を食べないといけないこととなります。

アオリイカはごく小さい時期は自分よりも大きなエサに襲いかかるものの、成長するにしたがって、自分の胴の長さ以下の魚を中心に食べるようになるといわれます。

徳島県水産試験場での調査では,アオリイカが食べるのはエビと魚で,コウイカの仲間が捕食するカニは食べないことが分かったそうです。

捕食した魚は表層から中層にいるイワシやアジを始め,低層にいるヒラメやカレイ,アナゴまでで、多種多様なものを捕食したといわれます。

体高の高いマアジ,骨格や表皮が硬いスズキ,ハゲよりも,細身で軟らかいイワシやマルアジを好んだというデータもあります。

他のフィッシュイーターといわれる類が好んで食する魚類は同じくイワシやマルアジを好みますから同じですね。

瀬戸内ではコノシロなども好んで食べているようです。

エサが胴長の半分以下だと残さずに食べ、それ以上だと頭部を食べ残すことが多くなり、胴長を超える大きさだと返り討ちにあって逆に食べられてしまうケースが発生します。

飼育下の実験では、小さいエサから先に食べ、自分の胴長以上のエサを襲うには何日もかかることから、よほど腹が減ってしかたない状況にならないと大きなエサは襲わないという結果が報告されています。

エサがあまりに大きいと怖くて攻撃できず、ついには餓死することもあるそうです。

アオリイカは空腹時には、魚やエビの頭から尾部まで摂餌するものの、ある程度胃が満たされると胴体の一部だけを食べ、次から次へと捕食しては、食べのこしていく傾向をもち、共食いやエサの横取りも観察されているようです。

どのイカも基本的には夜行性ですが、昼間でも機会があれば捕食します。

明るい場所は苦手なので、藻場の岩陰などの暗がりにひそんで、小魚が近寄ってくるのを待ち受けています。

日中の釣りでは、潜んでいる場所を探して釣ることになります。

アオリイカの場合、餌を見付けたら頭部(腕や眼のある部分)を餌の方向に向け、ヒレを動かして姿勢を保ちながら、ハンティング用の触腕(特別に長い一対の腕)を縮めて発射の準備をします。

そのままの姿勢で腕がとどく位置まで接近したら、一瞬で腕を伸ばして小魚を捕らえます。

その速さは50分の1秒という、人間の眼では捕らえられない早さで伸びるそうです。

身体の動き自体は俊敏ではないようですが、この腕の速さはぴか一です。

エギを用いた釣りの用語にイカパンチというのがありますが、アオリイカがエギを餌と間違えて捕まえようと蝕腕を伸ばしたときの様子を示した言葉のようです。

エサは逃げようとしてもがきますが、吸盤の吸着力と吸盤の内側にあるギザキザの角質環がくい込んで逃げることが出来ないので、触腕を縮めて口に運び、同時に後退するのです。

最近はエギの表面をこの角質環が食い込みやすく外れにくい素材で覆ったものも出てきているようです。

そして、このときエサに鈎がついていればフッキングすることになるわけです。

全部の腕で小魚をヨコ抱えしたら、獲物の後頭部をかじり取って殺したのち、安全な場所まで移動して餌をタテにして食べていきます。

エギで釣りをしているとき、途中までイカがいたはずなのにいなくなったという状態はこの横抱きの状態のままで、針(かんな)がイカの足などにはかかってない状態のことが多いようです。

内臓が好物だといわれることもありますが、飼育下の実験では、ほぼ例外なく内臓は捨てられ、筋肉だけが食べられていると報告されています。

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アオリイカの釣り方(エギング)

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