アオリイカの生態7(月齢との関係)
一般にイカは満月前後には釣れないとされますが、アオリイカは定置網でもエギ漁でも半月から満月に向かうときによく獲れるそうです。
一日でいえば朝、東の空が明るくなり始める時間帯、または夕暮れからの時間帯に集中して釣れることから、アオリイカが好んで捕食する一定の明るさがあることが判ります。
新月だとマズメの短い時間に釣れても、暗闇になってからはほとんど釣れないといわれています。
これは、視覚で獲物を捕らえて攻撃する以上、獲物を見るための光量が必要だからと考えられますし、見釣りで釣れるとはいえ、明るい日ほど釣果がよいわけではありません。
小魚の動きが鈍る夜間、小魚からすれば暗くて敵が見えず、アオリイカには見えているバランスのいい照度、これが満月前の明るさのようだといわれています。
ですから、外灯がある場所では光の境目を狙ってみようというわけです。
また、摂食活動は月齢の影響を受けるとかんがえられています。
月齢=潮の大きさではありませんので、注意が必要です。
潮見表には、月齢も載っているものがおおいですから、注意してみてください。
生物の月周リズムは基本的に光のリズムに同期していると考えられます。
月光量の変化と並行して、潮の干満という現象が起きるのでつい混同しがちですが、潮の大きさではなく、光量の変化に影響を受けて行動していると考えるのです。
例外的にウナギが新月の夜に産卵するといわれていますが、フグやウミガメ、サンゴなどのほか、淡水の生物でさえ、明るい満月の夜に産卵のピークを迎えます。
満月に向けてエネルギーが蓄積され、過ぎると沈静化に向かうため、同じ照度であっても下弦の月の活性は低くなるようです。
狼男を思い出すと良いかもしれませんね。